2020年があっという間に僕の横を通り過ぎてしまった。気づいたらもう12月である。大学受験本番を迎えた1月~3月、大学生活/寮生活/サークル活動が一気に始まって大忙しだった4月~6月、スマブラのオフ対戦に打ち込み始めた7月~9月、友人達と交流を深めた10月~12月と、かなり密度の高い一年だったはずなのに、実感としては昨日入学式を迎えたばかりのような気分だ。去年の年末も同じようなことを思った。きっと来年も同じだろう。年末はそういう時期なのだ。後回し、先延ばしにしてきたあれこれに「もう後がないぞ」と現実を突きつけられ、否応なく無駄にした時間に目を向けなければいけなくなるのだ。もっと良い一年の過ごし方があった気はかなりしてくる。来年は今年よりマシな一年にしてみたいとか思っちゃったりする。この一年を共に過ごしてくれた人達に感謝とか述べてみようという気分にもなってくる。まさに12月である。
以上の文章は全て適当で、本文とは何の関係もない。ブログの始め方がわからなかったので困ってこんなことを書いた。第一嘘も結構混じっている。4月~6月は大忙しだったとか書いているが、実際の僕は大学をサボりまくって寮でだらだらゲームをしていただけだったのでとてものんびりまったりだった。サークルも結構ゆるかった。友人達と交流も別に深めていない。せいぜいサークルの先輩と一緒にスマブラをしていたくらいである。大学には遥か昔に入学したような気分がしている。もっと良い一年とか思いつかない。どうせ僕はこういうほどよくだらけた生活しか送れない。
しかしだらけた生活にも彩りは必要である。そのために漫画/映画/アニメ/音楽がある。加えて創作活動などをしてみると、人生はかなり豊かに華やかになるらしい。なのでブログを書いてみようと思ったのである。人生は華やかであるほど良い。※諸説がある
- パプリカ
- Fight Club
- 平成たぬき合戦ぽんぽこ
- 少女革命ウテナ
- 夢の端々
- A子さんの恋人
- 子供はわかってあげない
- 聲の形
- 青野くんに触りたいから死にたい
- キッチン
- 容疑者Xの献身
- 終わりなき夜に生れつく
- 所見
パプリカ
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0155NUPB0/ref=atv_dp_share_cu_r
かなり有名な作品だと思う。少なくとも僕は何度も名前を聞いたことがあった。今敏監督、マッドハウス制作のアニメ映画である。精神治療の為に開発された人の夢に入れる装置「DCミニ」が盗まれ、その悪用によって起こる諸々の事件と、それを解決する為に活躍する夢探偵パプリカ、及びパプリカの周囲の人間関係にまつわる物語である。奇抜で不可解、ともすればコメディ作品のようにも見えるポップな夢の姿の裏に、じっとりとした確かな恐怖を感じさせるアニメーションの演出がとても印象的だった。また、各キャラクター達はDCミニの力で夢と現実を行き来するのだが、その境目の演出も見事で、今いる場所が夢なのか現実なのか視聴者側もわからなくなってくる。アニメ映画でしか描けない混沌が1時間30分にぎっちり詰まった良作だった。
Fight Club
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07GQ6RBP2/ref=atv_dp_share_cu_r
これも有名な作品らしい。公開は1999年だが、全く古さを感じなかった。真面目で勤勉、よく働きよく稼ぎ、物を買っては捨てられない、部屋をブランド家具で埋め尽くす「北欧家具の奴隷」である「僕」の根底にある厭世観が滲み出る一人語りに、巧みなカメラワークが追従する。ある日をきっかけに破壊され作り直される「僕」の生活の様子と、それに伴って変わっていく彼の言葉遣い、性格、服装、人間関係全てに焦点が向けられている。「僕」と共に"Fight Club"を作り上げるもう一人の主人公はブラッド・ピットが演じる。映画をまるで見ない僕でも知っているあのブラッド・ピットである。「僕」とは対照的な、堕落を生きる迫力ある男の演技は見応えがたっぷりだった。
平成たぬき合戦ぽんぽこ
https://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA00007YNZ9
言わずとしれたスタジオジブリ、高畑勲監督作品である。僕の周囲には高畑勲を信仰する宗教が流行っており、その布教活動の一環として僕の部屋で上映会が行われた。結果として僕も信者になり、こうしてブログに書いている。ニュータウン建設のために切り崩されようとしている山の中に暮らすたぬき達が、得意の変化術で人間達に戦いを挑む物語である。設定こそ陳腐で、あらすじを聞いただけではなかなか唆られないが、驚くべきはその描写力とプロットの緻密さである。個性豊かなたぬき達がどうしても一枚岩になれず、それぞれの思惑で動き回る様は単に群像劇として見ても面白い。スタジオジブリの映像美、疾走感のある演出や視聴者に訴えかけてくるような感情のこもったセリフの数々も素晴らしい。可愛らしくて愉快な絵柄でありながら、全編を通じてドキュメンタリー調の描写が続くことでひしひしとした現実感を与えてきて、最後まで飽きることなく見続けられる。とにかく完成度の高い作品である。これを見て君も高畑勲信者になろう!
少女革命ウテナ
https://www.video.unext.jp/title/SID0002637
「それは、むかしむかしのお話です。あるところに、お父様とお母様を亡くし、深い悲しみにくれる、幼いお姫様がいました。」
「そんなお姫様の前に、白馬に乗った旅の王子様が現れます。凛々しい姿、優しい微笑み。王子様は、お姫様を薔薇の香りで包み混むと、そっと涙を拭ってくれたのでした。」
「『たった一人で、深い悲しみに耐える小さな君。その強さ、気高さを、どうか大人になっても失わないで。今日の思い出にこれを。』」
「『私たち、また会えるわよね。』『その指輪が、君を僕のところへ導くだろう。』王子様がくれた指輪は、やはり、エンゲージリングだったのでしょうか。」
「それは良いとして、お姫様は王子様に憧れるあまり、自分も王子様になる決意をしてしまったのです。でも良いの?本当にそれで。」
友人に誘われて夏から上映会を始め、昨日ついに見終わったが、人生で見たアニメの中で最も印象的で、最も好きな物の一つになった。全編39話と長く、昔のアニメだけあって絵柄や演出(特にギャグ演出)には少し戸惑う部分もあったが、試聴済みの友人二人+未視聴の友人一人に付き添ってもらい、週末の夜に一日Blu-rayを一枚ずつ見ていって完走した。とにかく長いし、曖昧な部分も多く、説明が少なくて混乱するところが何度もあるだろうが、興味を覚えた人は是非見て欲しいと思う。内容に触れようとしてもうまく説明ができないが、王子様と姫と恋と愛とシステムと革命の物語である。絶対運命黙示録!
OPとEDはめちゃくちゃ格好良い。
「たとえ二人離れ離れになっても、私は世界を変える」「昔の話に縋る大人には言い訳が似合う」...見終わった後に曲を聴くと歌詞で泣けてくる。僕も潔く格好良く生きていきたいと思う。
ところで、これが百合アニメとして紹介されているのをどこかで見たが、別に百合アニメではない。というかこの作品を通しで見ておいて百合アニメというつまらないレッテルを貼ることに躊躇しないような人間は感性が死んでいるしこのアニメから涙一粒分の学びも得ていないに決まっているので話を聞くに値しない。まあどんな捉え方をしようと許されるのが創作物の持つ自由さ、魅力なので、さまざまな意見があっていいと思う。僕は許さないが。
夢の端々
こちらは上下巻構成の漫画である。二人の女性の関係性についての短話がいくつかまとめられており、現代からだんだん古い時代へ、舞台が実際の時制とは逆向きに遷移していく。時が経ち拗れてしまった二人の間柄がだんだんとほぐれていくような感覚を得るが、描写されていることはその真逆である。時間によって互いを許したり、落ち着いたり、よりを戻したりすることはできても、最初のように純粋に戻ることは決してできないということがただ悲しいと思った。上巻4話5話のえげつなさが好み。
面白い作品だが、一方でこの作者ならもっと面白くできたのではないかと貸してくれた友人が言っていた。僕も同意見であり、須藤佑実先生の次回作にご期待している。
A子さんの恋人
留学帰りの美大出身のA子さんと、関係をうまく断ち切れなかった元彼のA太郎、留学先のニューヨークでA子さんを待つ彼氏のA君、それにA子さんの同級生のU子、I子、K子、その他周辺人物が織りなす群像劇、及びラブコメディである。作者も美大出身で、それだけあって絵が上手く、シンプルな線で描かれながらも表情豊かにキャラクターが動く。コマ割りは単純で語りも淡々としたエッセイ調だが、プロットが中々に作り込まれているので飽きが来ない。サクサクと読み進めていくうちにA子さんと二人の男との関係性の核心に迫っていき、だんだんと彼女らに感情移入できてくる。派手な表現は使わないが描写は巧みで、盛り上がりと落ち着きがしっかりしていて物語にボリュームがある。とても面白かった。全七巻で既に完結していて買い揃えやすいので、暇な週末なんかに手に取ってみると良いと思う。この間恵文社で売ってるのを見かけた。
子供はわかってあげない
『読むとうっかり元気になる、お気楽ハードボイルド・ボーイミーツガール』
↑の素敵なキャッチが公式の作品紹介についており、これ以上の説明はいらないように思える。キュンキュン、爽やか、甘酸っぱい、良い青春漫画だった。どうやら実写映画化するらしい。成功すると良いと思う。
聲の形
読み終わった後に感想を語ろうと意気揚々と友人達に話しかけたら、「今は聲の形の話をするにはMPが足りない」「そんな体力ない」「眠い」と跳ね除けられて悲しかった。実際この漫画は感想を語る上で踏まえておかなければいけない文脈の量がかなり多く、なかなか一筋縄ではいかない作品だ。石田将也はろう者の西宮硝子をいじめ、彼女から小学校時代を奪ってしまったことを後悔する。その罪の意識が消えないまま中学高校と成長し、償うために再会するも、どうやっても過去は消えないという事実が彼に重くのしかかる。誰もが罪を背負いながら、それでも人生をやらなくてはならないという現実は本当に怖い。その怖い現実に向き合う主人公と、その周囲の世界の話である。
僕がこの漫画を好きな理由のうちで最も大きいのは、人間は基本的にしょうもないということがありありと書かれていることだ。主人公の石田を筆頭に、登場人物は誰もが良い奴で、誰もが嫌な奴だ。好きな奴には優しくするが嫌いな奴は詰るし罵る。手段や考え方は違うも、みんな隙あらば自己正当化に走り、自分は加害者ではないと言い張り、被害者ぶって善人ぶって、助けるふりをしたり開き直ったりする。他人を許したり許さなかったりする。怒ったり、怒ることで自分は正しいと思い込もうとしたりする。怒らないことで許してもらおうとする。人間の描写はかくあるべきだ。多面的で立体的な人間関係を描く素敵な漫画だった。
ところでこの作品は「君の名は。」と同時期に映画が公開されていたことが有名だが、その頃中二の僕は逆張りのつもりで「傷物語 Ⅱ冷血編」を日本橋の映画館に一人で観に行っていた。なので未視聴である。そのうち観たい。
青野くんに触りたいから死にたい
よくあるWEBマンガみたいなタイトルとよくあるWEBマンガみたいな絵柄だと思っていて舐めていたらなかなかとんでもなかった。ジャンルはラブ/エロ/コメディと見せかけたガチのホラーである。幽霊との恋は素敵だが、あくまで化物であることを忘れてはいけない。この絵柄だからこそ出せる怖さと、純粋に漫画力の高さを感じさせる演出がかなり良かった。幽霊・青野くんの裏に潜む怖い怪物と向き合っていくうちに、だんだんと主人公の優里ちゃんの内面に迫っていくのだが、これがまた異常で怖いのだ。既刊は7巻。続巻が来春に出るらしくとても楽しみだ。
キッチン
友達から薦められていて、本屋で見かけたので買って読んだ。1988年刊行だがFight Club同様に古さを感じなかった。ありきたりな表現になるが、やはり良いものは時代を問わないのかもしれない。単純に三十年やそこらでは人の価値観は変わらないというだけかもしれないが。ともかく良い小説である。表題作の「キッチン」とその続編、加えて作者のデビュー作である「ムーンライト・シャドウ」がおさめられている。どの作品も喪失と、それからどう立ち上がるかということがテーマになっていて、寄り添うものとしてキッチンや月明かりがある。
とても良い小説で気に入ったのだが、読み終わった後はしばらく悲しかった。というのも、全編を通して男女関係、恋愛を通じて世界の美しさを見ようとする雰囲気があり、また作者自身もそういう雰囲気の人であるらしく、恋愛も男女関係もやってこず、またそれらを信じていない身ではここに表現されている美しさを真の意味では解せないのではという気持ちになってしまったからだ。今思うとめちゃくちゃな悲しみ方をしていた気がするが、読後の僕は本気で結構気落ちしていたので、覚えていないだけで何かもっと考えていたことがあったのかもしれない。
容疑者Xの献身
東野圭吾を軽んじて生きてきたが、読んでみると結構面白かった。白夜行も読んでみたい。
終わりなき夜に生れつく
同じく恩田陸も軽んじて生きてきたが、読んでみると結構面白かった。どうやらシリーズ物だったらしいので、他の作品も読んでみたい。
所見
だいたい紹介したいのはこれくらいである。後は「ネムルバカ」「ダンジョン飯」「ゴールデンゴールド」とかが面白かった。僕は電子版で定期購読している少年ジャンプ以外に自発的に漫画を読む/アニメを見る/映画を見ることがあまりないので、漫画好き/アニメ好き/映画好きの友人がいることはとてもありがたい。おかげで沢山の良い作品に出会うことができ、人生が1680万色くらいに彩られている感じがしている。ところで曲についてだが、最近あまり新しい曲を聴いておらず良くない。オススメの曲があったらぜひ教えて欲しい。
かろうじて最近聴いていいな~~~~となった曲
最近ようやくスマブラの上達の仕方がちょっとわかってきて楽しくなってきたが、勉強/DTMは全然である。できれば来年はそっちにも力を入れたいな〜〜と思っているが、時間/モチベーション管理が下手糞、及び気合が足りずこのままでは多分ダメになってしまいそう。せめてスマブラだけは萎えずに続けたいと思う。頑張るぞ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
終わりです。読んでくれてありがとうございました。